2012年07月13日

「叱る」のいろいろ

kyouikuzukan.jpg読売新聞ほうむたうん 2009年6月号掲載

今回は、叱り方について述べたいと思います。

子どもによっては、ちょっと叱っただけで泣き出す子もいれば、
叱られ慣れていて、ちっとやそっとじゃ、言うことを聞かない子もいます。

どこでこんな差が出てくるのでしょう。

私たちは、何気なしに叱っていますが、「叱る」にもいろいろな意味があって、
子どもの受け取り方が違うのです。

たとえば、「威嚇」。
子どもがだらけていたり、ふざけすぎたりしたら、ひと声かけてしゃんとさせます。
きちんと言うことを聞くように脅しをかけるわけです。

子どもに正しい行いを喚起するための「注意」もあります。

ああしなさい、こうしなさいと、細かく言い続けて、
子どもをコントロールするわけです。
そして「叱る」の一番の使命としての「罰」があります。
よく、のび太がママに、カツオが波平さんに、
呼びだされて怒鳴られたりする、あれです。

でも、これで終わりではありません。

罰を与えられて、自分の行いが間違っていたと子どもが思い知ったあと、
さらにたどりつかねばならないのが究極の目的「さとす」なのです。
子どもが自ら自分の行いを反省し、改めていくように訴えかけることです。

「あなたのしたことは、相手から見たら、どうだったと思う?
相手は今、どんな気持ちでいると思う?」 といったように、
問いかけ、子ども自身に答えを見つけさせます。

そして、子どもが答えを見つけたら
「ならば、あなたはどうしたらいいのかしら。
そうね、すぐにやりましょう、 ママも手伝うから」と、
自主的な行動を促し育てるのです。


これを叱った側がきちんとしなければ、子どもの本当の進歩はのぞめません。

叱られて、とりあえず黙っているだけ、
言うことを聞くふりをしているだけになってしまいます。
ただひどい罰を与えるだけで終わると、
子どもは異常におびえたり、やる気をなくしたりします。
また、きちんとした罰を与えないで「威嚇」ばかりでその場を押さえていると、
大人を甘く見るようになり、 少しの脅しでは言うことを聞かなくなります。

親も忙しくついつい怒鳴るばかりになりがちですが、
きちんと「さとす」ことを行うよう心がけ、 子どもが自ら行いを正しく改め、
高い自主性をもって成長する手助けをしましょう。


posted by カメ先生 at 10:37| Comment(0) | 生活

いじめる側に原因がある

kyouikuzukan.jpg 読売新聞ほうむたうん 2009年5月号掲載


以前、いじめの種類と対策を書きましたが、
今回は、いじめを受けてしまったときの考え方のヒントを述べたいと思います。

いじめを受けると、いわれのない劣等感に襲われ、
自信を失い、追い詰められていきます。
自分に原因があるのだと考え、ますます思い悩みます。
でもここで逆転の発想をしてみましょう。

つまり、劣等感を持っているのはいじめる側であり、自分に非はないのだと。

では種類別に、いじめる側の問題を探っていきましょう。

まず、相手を自分より格下にし、使い走りにしたり、
脅したりする『パワーいじめ』ではどうでしょうか。
いくつかの事例を分析すると、いじめる側は、
甘ったれのめんどくさがりやが多いようです。
常に家族が手助けしてくれ、甘やかされたのでしょう。
ですから、面倒なことは友だちに頼む、断られたら弱そうな子にやらせる、
相手が嫌がれば、 脅迫やへ理屈で断れないようにし、いじめる…、
つまり自分がただ楽をしたいだけ、 過保護のぐうたら未熟児というわけです。


さて、一見 仲の良い集団の中で、物を隠したり、
匿名の悪口をばらまいたりする『陰口いじめ』はどうでしょう。

多くの場合、いじめる側はねたみや反感を隠していて、
いじめで相手が思い悩むと、ざまあみろと優越感に浸るわけです。
つまり、自分自身が相手より何か劣っているという劣等感を感じているのです。
堂々と意見することができない弱虫なんです。

では、相手の長所をつぶし、短所を探り出しては馬鹿にする『出るくいいじめ』では?
このタイプは、常にいろんな理屈や批判を並べて、相手を攻撃します。
その攻撃があまりに日常的に繰り返されると、被害者は本当にぼろぼろにされてしまいます。
でも逆に言えば、このタイプは絶えず相手を攻撃しなければ自分を保てない、ちっぽけな人間です。
自分が相手より劣っているのを認めたくない、
自分に自信がない… だから相手を攻撃することでバランスをとっているだけなのです。

いじめを受けているあなた、あなたをいじめているのは、自立できない未熟児ですか?
劣等感を隠した弱虫ですか? それとも自分の弱点を相手への攻撃で隠す卑怯者ですか?


 こんなダサいやつらに負けないで。
あなたには輝く未来があるのですから。




posted by カメ先生 at 10:35| Comment(0) | いじめ

子どもは大人のかがみ

kyouikuzukan.jpg読売新聞ほうむたうん 2009年4月号掲載

以前食わず嫌いの調査をした時、
ひとつなるほどと思ったのは、家族との関係でした。
食わず嫌いをする子の家族には、やはり同じような
食わず嫌いの人がいることが多かったのです。


子どもは、小さいうちは酸っぱすぎるものや、
辛いもの、苦味があるものを嫌います。
それは、本来食べ物は、腐りかけると酸っぱくなり、
毒があると苦くなるということを
本能的に知っているからだと言われています。

やがて成長とともに味覚が育ち、何でも食べられるようになってきます。
ところが、家族の中に野菜嫌い、魚嫌いなどがいると、
「食べなくてもいいのか」と思ってしまうようです。


話は違いますが、親が暴力を振るうとその子どもも友だちや
自分の子どもに暴力を振るうという暴力の連鎖についても、
近頃よく指摘されています。

基本的な生活習慣から、他人への接し方まで、親は子どもの良い手本となり、
あるいは悪い手本となり影響を与えているわけですね。

ですから、その子を変えようと思ったら、
まず親から始めてみるのもひとつの方法です。


 たとえば、人に挨拶やお礼がきちんと言えない子がいたとします。
そうしたら、それを叱るだけではなく、
毎日子どもと接するときに、親の方からきちんと挨拶をしたり、
心をこめて「ありがとう」を言ってみたりしてはどうでしょう。
そんな小さなことの積み重ねで、子供は確実に変わっていくはずです。


しかしそれは、親が子どもの代わりに挨拶をしたり、
お礼を言ったりすれば良いということではありません。
子どものやるべきことはあくまでも子どもがやるべき。
子どもの手本となるような行動を親が意識して、
どもの前でやって見せるのです。

もしあなたが、その子にきちんと部屋の整頓をしてもらいたいと思ったら、
かわりに片付けてあげたり、掃除したりしては逆効果になります。
親が率先して家の大掃除などを行い、それを手伝わせることによって、
掃除することの気持ちよさを一緒に体験させることが大切です。

「ああしなさい、こうしなさい」と命令するよりも、
心をこめて体験させることの方がずっと効果があるのです。

様々な子どもたちと接してきた中で、私も実感しています。
まず大人が動いてみることによって、子どもの良い面を引き出せることが実は多いのです。



posted by カメ先生 at 10:33| Comment(0) | 親子関係