2012年12月09日

ボランティアの第一歩

kyouikuzukan.jpg 読売新聞ほうむたうん 2009年12月号掲載



 最近は小中学校でも勤労奉仕の体験をさせたり、
障がい者や老人ホームの施設にボランティアに行ったり、
多様な活動を行っているようです。

介護の仕事や海外の恵まれない子どもにも、
いっそう目を向けるようになり、意識も高まってきています。

 しかしその一方で、「自分さえよければあとはどうでもいい」とか、
「人の嫌がる仕事はなるべくやりたくない」という、
自己中心的な傾向も子どもたちの中に増えているような気がします。

 施設や海外に目を向けることも大事ですが、私は少し順番が違うのでは?と思うのです。
まずは、友だちや、家族など身近な人間関係の中で、
人のために動くことがボランティアの第一歩ではないのでしょうか?

 日頃子どもの様子をうかがっていると、よく次のような場面を目にします。

 例えば、一生懸命遊んでいるときは協力しあうが、
いざ片付ける時になると互いに仕事を押し付け合い、さっさと帰ってしまう。
班活動をするときに、プリントを取りにいったり、
実験の準備をすることをやりたがらず、弱い子に押し付ける。
これは、成績の良い悪いなどに関わらず、どこのクラスでも見られるのです。

 このようななんでもないことが出来ないで、
誰が他の人たちに手を差し伸べられるというのでしょうか。

 私たち大人は、つい子どもたちに、静かにしていなさい、みんなと同じことをしなさいと言いがちです。
その結果、おしゃべりをしない、みんなと違うこともしない、
でも、面倒なこともひとり目立つこともしない、
自分を犠牲にするようなことも一切しない子どもを生み出しているような気がしてならないのです。
 おとなしく、じっとしていれば叱られないし、
よけいな仕事をもらって損をすることも無い「なにもしないよい子ちゃん」になっているのです。

 人の嫌がることや、自分を犠牲にすることも、決して損をすることばかりではありません。
子どもだって充分人の役に立ち、その結果、成就感や充実感を得ることができるのです。

 無駄なおしゃべりをせず、みんなと同じことができるようになったら、
さらに次のレベルを目指して、人に役立つことも進んで出来るようにしましょう。
他人を思いやり、自分から進んで行動することこそが、ボランティアの第一歩なのですから。
posted by カメ先生 at 11:46| Comment(0) | 生活

2012年09月09日

優先順位を守れるかな?

kyouikuzukan.jpg 読売新聞ほうむたうん 2009年11月号掲載


「ゲーム機を子どもに、与えてもよいのでしょうか」と聞かれたことがあります。

一時は、ゲームは脳に悪影響を与えるとか、睡眠不足や運動不足につながるとか、
現実との境がなくなり犯罪につながるとか言われていました。
でも最近では脳を鍛えるゲームが数多く発売されたり、
健康増進やダイエットによい運動ゲームが出たり、
年齢制限や自主規制が進み残酷なシーンや過激な表現が規制されるようになってきています。

要するに程度の問題。依存症にならないように、きまりを守ることができればよいのです。

大人たちの社会でも、薬物から、パチンコ、タバコ、
お酒などいろいろな、依存症が問題になっています。
お酒もたしなむ程度なら体によいのですが、
飲みすぎればさまざまな悪影響があります。
ほどほどでやめるということがなかなか難しいようです。

ですから、依存症になるならないの境目をはっきりさせて、
事前に対策を立てておくべきでしょう。
ゲーム問題なら、次の2つが重要でしょう。
1、決められた時間・場所で行う。
2、優先順位を必ず守る。

よく旅行先にゲーム機を持って行く子どもがいますが、ほとんどの場合私は賛成しません。
高いお金を払って旅行に出かけたのなら、その土地の風に吹かれ、
文化に触れるべきであって、自分の部屋でできるようなことをするのはお金の無駄遣いです。

また、家族団らんの時間に一人勝手にゲームをするのも好ましくありません。
自分の部屋など、決められた場所と時間の範囲内で許可しましょう。
 
また肝心なのは優先順位です。
いくらパチンコをやりたいといっても、育児を放棄してやっていれば、悲劇が訪れます。
少しだけのつもりでやり始めても、一度始めてしまうとなかなかやめられないのも事実です。
ですから、やめられなくなる前に、生活の優先順位を決めて、先手を打っておくとよいでしょう。
睡眠時間、家のお手伝いや、勉強、家族の団欒など、
ゲームより優先順位の高い項目を事前にきちんと話し合い、
それが守れなければゲーム機は取り上げです。

 
ゲームの内容や予算も大事ですが、まずは決められた時間や場所を守り、
他の大事なことを優先できるようにきまりを話しあった上で、ゲーム機購入を検討しましょう。




posted by カメ先生 at 12:35| Comment(0) | 生活

2012年07月17日

明日の予定・昨日の失敗・今日のやり方

kyouikuzukan.jpg 読売新聞ほうむたうん 2009年10月号掲載


子どもにはいつもやさしく接したいと、本当は大人も思っているのです。
でも、やさしすぎればつけあがる、そうそういつもやさしい顔ばかりはしていられません。

実際教育の現場では、初対面の子どもたちに対して下手に出たり、
甘やかすような態度をとると、自分のほうが立場が上なのかと
勘違いした子どもになめてかかられます。
子どもと仲良くしたい新任の教師などは、このあたりで苦労することが多いのです。

大切なのは、やさしさの中にもリーダーシップを持って接し、
導いてあげることですが、難しいのは、いつも理屈で返すタイプの子どもです。

そんな時の秘策をひとつ。実は、よほど頭のいい子でも、
なかなか育っていないのが、時間の観念なのです。

子どもは、今をどうやってラクに楽しむかをメインに考え、
昨日のことや明日のことはおざなりになりがちです。
そこで大人の登場です。明日の予定、昨日の失敗、今日のやり方を例に出し、
時間をうまく使えば、リーダーシップをとることができるのです。

「明日は、お友だちが来るんでしょ。この間は片づけがたいへんだったから、
今日のうちに掃除したほうがいいわよ。やり方を教えてあげるから」
「もうすぐ提出日でしょ。この間みたいにぎりぎりで大あわてしないように、今日から計画を立てて始めましょう」
などと、時間の観念をうまく使って、やさしく声をかけるとよいでしょう。

「忘れてた、明日は○○があるんだった」と、気づかせるのです。
子どもがきちんと動けば、自主的に動いたことをほめてあげましょう。
動かず、当日大変なことになったら手伝ったりしないで、自分で責任をとらせましょう。
「あの時親の言う通りにしておけばよかったかなぁ…」と思わせれば、ほぼ成功です。
そのうち、大人の言うように明日の予定を考えて
行動するとうまく行くことがわかれば状況が変わってきます。
親がリーダーシップを発揮する関係ができるのです。

その場で思いついたことをガミガミ言うより、長期的な見通し、
ここ一週間の予定、明日明後日の大事なことをあらかじめ頭に入れて、
過去の子どもの失敗と照らし合わせ、やさしくアドバイスしてあげましょう。

子どもは、本当は信頼できるリーダーを求めているものなのです。


posted by カメ先生 at 11:13| Comment(0) | 生活