2012年07月14日

プラス面、マイナス面はセット

kyouikuzukan.jpg 読売新聞ほうむたうん 2009年8月号掲載


最近携帯電話を持つ小中学生が増え、それに伴い、依存症、料金、
有害サイト、いじめの温床になる学校裏サイトなど、
いろいろな問題が話題になっています。

自治体によっては、中学生以下の携帯に事実上規制を定めたところさえあります。

が、その一方で子どもの安全を守るものとしてのニーズが高まっているのも事実です。

しかし当の子どもたちは「友達が持ってるから」とか
「持ってないと仲間はずれになるから」などと言う理由で
しつこく親にねだります。
さて、どうしたらいいのでしょうか。

こんな時、私がいつも考えるのは、プラスマイナスゼロの原理です。

すべてのものには、プラス面とマイナス面があり、
マイナス面は埋めていかなければなりません。
ただ楽しい思いだけをすることは、ありえないのです。
たくさんのお金を得るためには、厳しい労働が、よい結果を出すには、
たえまない努力が、かわいい犬を飼うには世話やしつけが必要なのです。
つまり、プラス面とマイナス面、すべてのものはセットになっているのです。
それを買ったことによって、勉強や家庭生活に問題が起きるようなら、
事前に決まりや条件を作って、マイナス面を防がなくてはなりません。
「条件さえ守ればいつでも買ってあげるわ」「条件?」
「まず、○○を毎日きちんとすること。あと、家族に迷惑がかかることをしたら使用禁止よ」「家族の迷惑って?」
「それはね」…などと、時間やマナー、料金のことまで細かく決めたほうがよいでしょう。

 楽しい思いには、必ずそれに見合うだけの決まりや働きをセットにして提示するのです。
それが、約束できないなら買わない、決まりを破ればすぐに取り上げる、と。

リスクや努力なしの甘い汁を一度体験すると、
子どもは甘えたりわがままを通せばどうにでもなるとたかをくくるようになり、
欲求がエスカレートすることも少なくありません。
それがいずれ、依存体質になって、やってもらって当然という身勝手な考え方をしてしまいます。
何の努力もせず、欲求が通らないとすぐに切れたりします。
楽しい事のためには、つらいことや我慢することが必ず付いてくるのだということを伝えましょう。
子ども自身がマイナス面をしっかり埋めて、プラスとマイナスがきちんとゼロになるように、話し合ってみましょう。


posted by カメ先生 at 14:19| Comment(0) | 生活

2012年07月13日

子どもの失敗こそ伸ばすチャンス

kyouikuzukan.jpg 読売新聞ほうむたうん 2009年7月号掲載


子どもはよく失敗をします。

学校でも、工作や実験で切ってはいけないところを切ってしまったり、
実験の順序を間違えたりといった場面に数多く遭遇します。

もともと苦手な場合もあるし、間違えて覚えていたり、
話をよくきいていなかったりと原因はさまざまです。
なかには遊んでいて話を聞いていなかったなんていう子どももいます。
つい怒鳴りたくなりますが「子どもの失敗は伸ばすチャンス」と
心に言い聞かせ冷静に対応するようにしています。

 例えば、ちゃんとやっていたのに、つい手がすべって失敗したなんていう場合、
理由も聞かずに叱ったら、やる気を失わせるばかりか、
失敗を恐れるようになったり、本人を追い込んでしまうかもしれません。
ついうっかりとか、ちょっと忘れていたということは誰にでもあることです。
ですから、叱るより、どうしてそうなったのかきちんと話をきいてあげるべきでしょう。

では、悪ふざけで失敗した場合。
こんな時には罰を与えるべきです。
が、頭ごなしに叱れば、子どもも感情的になって、
素直にやったことを認めにくくなり、人のせいにしたり、
うそを言ってごまかしたりしがちです。

つまり、実は先程と同じようにやはり冷静に接してよく話を聞く必要があるのです。

 私の経験では、カーッと来て怒鳴ってしまって、うまくいったことはありません。

 子どものためを思ったら、子どもが真面目な場合も、不真面目な場合も、
まず、怒鳴らないで話を聞き、事実をを正確につかむことです。

そして、それをもとに子どもに自分の弱点や改めたほうがよい態度や、
悪い癖などを自覚させ、それを克服させるひとつのきっかけにしていくのです。

大人が頭から「おまえはここがだめだから、直しなさい」と言っても、
子どもがいつも素直に聞いてくれるとは限りません。
でも、自分の失敗に自分から向き合い、弱点や悪い癖を自覚し、
克服しようと考えたらどうでしょう。少しでも前向きな取り組みができるのではないでしょうか。

 誰だって、自分から進んで失敗しようとは思わないのですから。
 そして子どもが努力を始めたら、大人は、導き、助けてやればよいのです。
うまくできるようになったら、こう言ってほめてあげましょう。

「あの時、失敗してよかったね。できるようになったじゃない」


posted by カメ先生 at 10:54| Comment(0) | 生活

「叱る」のいろいろ

kyouikuzukan.jpg読売新聞ほうむたうん 2009年6月号掲載

今回は、叱り方について述べたいと思います。

子どもによっては、ちょっと叱っただけで泣き出す子もいれば、
叱られ慣れていて、ちっとやそっとじゃ、言うことを聞かない子もいます。

どこでこんな差が出てくるのでしょう。

私たちは、何気なしに叱っていますが、「叱る」にもいろいろな意味があって、
子どもの受け取り方が違うのです。

たとえば、「威嚇」。
子どもがだらけていたり、ふざけすぎたりしたら、ひと声かけてしゃんとさせます。
きちんと言うことを聞くように脅しをかけるわけです。

子どもに正しい行いを喚起するための「注意」もあります。

ああしなさい、こうしなさいと、細かく言い続けて、
子どもをコントロールするわけです。
そして「叱る」の一番の使命としての「罰」があります。
よく、のび太がママに、カツオが波平さんに、
呼びだされて怒鳴られたりする、あれです。

でも、これで終わりではありません。

罰を与えられて、自分の行いが間違っていたと子どもが思い知ったあと、
さらにたどりつかねばならないのが究極の目的「さとす」なのです。
子どもが自ら自分の行いを反省し、改めていくように訴えかけることです。

「あなたのしたことは、相手から見たら、どうだったと思う?
相手は今、どんな気持ちでいると思う?」 といったように、
問いかけ、子ども自身に答えを見つけさせます。

そして、子どもが答えを見つけたら
「ならば、あなたはどうしたらいいのかしら。
そうね、すぐにやりましょう、 ママも手伝うから」と、
自主的な行動を促し育てるのです。


これを叱った側がきちんとしなければ、子どもの本当の進歩はのぞめません。

叱られて、とりあえず黙っているだけ、
言うことを聞くふりをしているだけになってしまいます。
ただひどい罰を与えるだけで終わると、
子どもは異常におびえたり、やる気をなくしたりします。
また、きちんとした罰を与えないで「威嚇」ばかりでその場を押さえていると、
大人を甘く見るようになり、 少しの脅しでは言うことを聞かなくなります。

親も忙しくついつい怒鳴るばかりになりがちですが、
きちんと「さとす」ことを行うよう心がけ、 子どもが自ら行いを正しく改め、
高い自主性をもって成長する手助けをしましょう。


posted by カメ先生 at 10:37| Comment(0) | 生活