
「うちの子だんだん言うことを聞かなくなって…」
よく聞く言葉です。
小学校も高学年になってくると、親の注意に対して「いちいちうるさいなぁ」などと
言い返すことも多くなってきます。
親は心配して言っているのに、怒り出したりします。
一方、子どもの立場からすると、自分のペースとは無関係に、
いつも「なにやってるの、早くしなさい」と言われるわけです。
例えばすっかりやり忘れていたことを指摘された場合、
子どもは自分でも悪いと思っていても、顔を合わせるたびにそこを言われるので、
そのうち顔を合わせること自体がイヤになります。
また、既にやった、もしくはやろうとしていたことを指摘された場合、
頭ごなしに「なんで○○しないの」なんて言われたら、どんな気分でしょう。
せっかくのやる気がどんどん無くなっていき、反感が生まれるかもしれません。
とは言え、子どもの顔色ばかりを気にして何も注意しなければ行動は治りません。
そんなときに私が小学校でよく使う方法を紹介しましょう。
以前は事前に打ち合わせする方法を紹介しましたが、
今回は、「見直す、促す、認めてほめる」という方法です。
1 … 見直す
今自分は何をしているのか、本当は何をしたらいいのかを見直させます。
「早く宿題をしなさい」といわれるより、「今日は宿題はあるの?」と
聞いた方が少し優しく聞こえます。
まずは笑顔で接することです。そして、「今日の予定は?」でもいいし、
「今、あなたはなにをやっているの?」でもいいのです。
まず、子どもに見直す機会を与え、発言のチャンスを与えることが大事です。
2 … 促す
「今、ぼくは○○をしているんだけれど…」「何か忘れていない?」
本来やるべきことを考えさせ自分からやるように促します。
ここで怒ったり、命令口調になってはどうしようもありません。
きちんとした答えが返るまで、根気良く待ちましょう。
要領を得ない時は、「宿題を忘れていない?」とか「○○や△△をどうするの?」など、
例を挙げたり、選択肢を出して、答えを言わせます。
子どもがわかっているのか、そうでないのか、ほかに言い分があるのか確認したら、
「じゃあ、どうしたらいいの?」とか、「どういう順番でやるの?」などと聞いて、
自発的な行動を促します。
「じゃあ、○○をやるよ」とか、「その後にそれをやるよ」など、
とにかく自分のやるべきことを、自分で考えさせ、自分の口からはっきり言わせることです。
3 … みとめてほめる
子どもが、自発的にやり始めたら、その様子をよく観察します。
そして、どこかよいところを見つけて、認めてやり、ほめてあげます。
「すぐに始めて、えらいわねえ」でも、「自分だけで最後まできちんとできたじゃない」でも
なんでもいいんです。それが、当たり前のことでもほめましょう。
親とコミュニケーションがうまくとれ、最後には必ず笑顔やほめ言葉が待っている、
となれば、子どもも親をけむたがることがグッと減ります。
その場の思いつきや、否定的な言い方、命令口調は控えましょう。
叱られ、命令されて動く子どもより、親の笑顔に支えられ、
やる気でがんばる子どもの方がいいに決まってます。