2012年07月10日

いじめの考え方 [桃太郎のいじめ退治]2 鬼ヶ島、閉ざされた門をこじ開けろ!

kyouikuzukan.jpg 読売新聞ほうむたうん 2008年9月号掲載

鬼ヶ島にたどり着いた桃太郎の前に、大きな門が立ちふさがります。
その門をこじ開けて、いじめを解決していかなければなりません。

いじめを解決するため一番大事なことは、『正しい情報を手にすること』です。

証拠もなく、相手が誰かもわからないまま親が動き出すと、
相手にとぼけられたり、「悪いのはそっち」と反論されたり、
親同士のトラブルに発展したりすることも考えられます。
いじめられた被害者なのに、逆に責められる立場になることもありうるのです。


なぜこんな事になるのでしょうか。

それは、子どもは最低3つ以上の顔を持ち、
相手によって態度もしゃべる内容も違うことが、
被害者・加害者問わず、ほとんどの場合であるからです。

親の前の顔、先生の前の顔、そして友だち同士の時の顔、みんな違います。

悪気はなくとも、やはり自分の身内にはいい話だけをし、
自分の立場を悪くするようなことは最後まで話しません。

さらに、加害者が集団の場合、口裏を合わせて都合の悪いことを隠すため、
事実がなかなか表面化しないのです。

では、確かな情報をつかむにはどうしたらよいでしょうか。

まずは、どこでだれにどんないじめをうけたのか、日時・場所・内容などを克明に記録すること、
そして中立の立場にいる人(例えば先生)の協力をあおぐことです。

具体的には、「陰口いじめ」や「出る杭いじめ」なら、
中立の場の先生などと協力し、情報を確かなものにしましょう。
集団で口裏合わせをする時間を与えないように、
取り急ぎ関係者全員にいじめ事件に関する作文を書かせて、
被害者の記録とくらべてみるのも有効です。

矛盾する内容を追求し、理由のはっきりしない行動の動機を問いただせば、
加害者側の嘘が浮き出てくるでしょう。
「陰口いじめ」の場合は、作文などから被害者に同情的な文章や、
いじめの証拠に関係する内容を見つけたら、すぐに個別に話を聞きましょう。

「パワーいじめ」の場合などは、口止めやおどしを受けていることが多いので、
一人一人別々に、個人面接を行って嘘や矛盾点を洗い出す必要が出てきます。  
確かな情報をつかみ、鬼ヶ島の門をこじ開けましょう。


(次回へ続く)


posted by カメ先生 at 10:52| Comment(0) | いじめ

いじめの考え方 [桃太郎のいじめ退治]1.イヌ・サル・キジのいじめ…後編

kyouikuzukan.jpg 読売新聞ほうむたうん 2008年8月号掲載

 さて、犬のパワーいじめ、サルの陰口いじめに続き、3つ目のいじめです。

[キジも鳴かずば撃たれまい…出る杭いじめ]
・概要/まとまりのない個人の集まりに多い。
    集団から目立つ人や実力ある人をバッシングする。
    ねたまれやすい才能の持ち主をねらう「プラス出る杭いじめ」と、
    相手をいつも自分より下にしようとする「マイナス出る杭いじめ」がある。

プラス型は、何らかの利益を共有する集団で革新的な行動を取る場合にもおこりやすい。
マイナス型は、先輩後輩や夫婦など親しいはずの関係でも見られる。
どちらにも共通するのは、気の弱い優しいタイプが
標的にされやすいことである(バッシングしても、報復の心配がないため)。

・原因/相手が自分より優れ、格上であることが許せない。
    自分の安定や地位を脅かす者は、たとえ正しいものでも受け入れたくない。
    自分の身勝手さや落ち度を隠すため、相手のあら探しをし、言いがかりをつける。
・いじめの内容/[プラス型]誰かがほめられたり目立つ行動をしたときに、
      否定的な言動をしたり、いちゃもんをつけたりする。
   [マイナス型]することに逐一文句をつけ、無関係の弱点を攻撃する。
      また、非協力、意識的な無関心、仲間はずれ、うまくいかないように
      示し合わせなどを行う悪質な行為も見られる。

 これらは意見や批判として扱われ、いじめとして表面化しづらく、
なかなか根本的な解決に至らない。
長期に及ぶと、対象となった個人の長所や革新的な考え方がつぶされ、
自信喪失し、自分が悪いと思うように追い込まれてしまう。
その場合、いじめられている自覚自体がないまま、
精神がぼろぼろにされてしまうので、早い段階での対策が重要である。



 以上、代表的な例を3つ挙げました。同じいじめと言っても、
陰口いじめでは犯人がわからないことが多く、
パワーいじめではおどしで口止めされます。
出る杭いじめでは、相手の悪いところを指摘しただけだとしらを切られてしまいます。


 さて、こんないじめにどう対処していったらよいでしょうか。


(次回へ続く)


posted by カメ先生 at 10:49| Comment(0) | いじめ

いじめの考え方 [桃太郎のいじめ退治]1.イヌ・サル・キジのいじめ…前編

kyouikuzukan.jpg 読売新聞ほうむたうん 2008年7月号掲載

マスコミなどで「いじめ問題」が取り上げられることがありますが、
私が変だなと思うのは、いろいろないじめを一緒くたにしていることです。

いじめには、さまざまなタイプがあり、問題点や解決方法もそれぞれ違います。
 今月は、よく見られるいじめのタイプを3つに分類し、
桃太郎の家来に例えて考えてみましょう。
(この分類は私の独断的な提案です。
  実際にはこれらの複合型や中間型が多く見られます)


[犬の負け犬いじめ…パワーいじめ]
・概要/力のある子どもやグループが活動する活発な集団に多い。
    ボスと取り巻きが、下っぱや周囲の児童を支配し、いじめる。
・原因/集団の中で、嫌なことは他人にさせ、自分は楽をしたい。
    そのために弱い人を力や理屈で抑えようとする。
・いじめの内容/集団の中で、弱そうな人または邪魔になりそうな人に目を付け、
    言いがかりをつけたり、 弱味ににつけ込んだりして、
    自分を圧倒的優位な立場に置く。

暴力やおどしに発展しやすく、いじめられた側が
報復を恐れて何も言わないため、いじめ自体が発覚しづらい。
また、おどかされていじめる側になったり、
悪いことをさせられたりすることもあり、
誰が主犯格なのか表面化しづらい。
解決にはしっかりした証拠をおさえる必要がある。


[サルの仲間はずれ…陰口いじめ]
・概要/一見平和そうに見えるクラスや、
    同じ趣味趣向を持つ仲良し集団などによく見られる。
    なんでもないことがきっかけとなり、匿名の個人やグループから陰湿ないじめを受ける。
・原因/均一な集団にひそかに上下関係を作り、自分を優位な立場に置く。
    誰かをおとしめることにより、自分を集団の上位に格上げする。
・いじめの内容/ターゲットとなった人の、少しの落ち度や欠点を大きく取り上げ、
    陰口や中傷、仲間はずれなどでおとしめる。

いじめる側といじめられる側がよく入れ替わり、
集団のメンバーがほぼ全員順番にターゲットになることもある。
物を隠す、学校裏サイトへの書き込み、無記名の手紙など、加害側の特定が難しい。
また、周囲の見て見ぬふりがいじめやすい環境を作り、
結果としていじめを容認、加担していると言える。
この周囲の不特定多数の指導もポイントとなる。

(後編に続く)


posted by カメ先生 at 10:46| Comment(0) | いじめ