2013年04月17日

集団遊びの育てるもの

kyouikuzukan.jpg 読売新聞ほうむたうん 2010年5月号掲載


前回に引き続き、遊びによって育つもの、また、
私が効果的に使っている遊びをご紹介しましょう。

私は理科の授業で新しい教材を使う時、
時間の許す範囲で1〜2時間程、遊ぶ時間を作ります。

たとえば、『てこ実験機で遊ぼう』は、じゃんけんで勝つと、
おもりを増やしたり動かしたりして傾きを競います。

『振り子で遊ぼう』は、振り子で1分計をつくったりします。
ほかに、ブドウの色素液を自由に反応させてグラデーションを作るなど、
とにかく単純なルールで子どもに遊んでもらいます。

教科書の内容と直接関係のないことでも、遊びをうまく取り入れると、
学習の理解度が確実に上がるからです。

具体的にどこが違うのでしょうか。

まず第一に、十分遊んでいる子どもは器用さが違います。
遊びながら実験器具の特性を体験済みなので、
最初から手順よく、器用に実験器具を使いこなせます。
実際に、はさみがうまく使えない、まっすぐな線がかけないなどの不器用さが、
学習の障害になることも、よくあるのです。

第二に、生きた知識が手に入りやすくなります。
友だちと競いながら、コツや工夫を体得できるからです。

思えば、私の子どものころは、
昆虫採集をするにしても採り方や飼い方が書いてある本など身近にはなく、
もちろんインターネットもありませんから、
まず友だち同士で集まって、いろいろ試してみたり、
情報交換から始めたものです。

くわがたの取れる場所、かにの穴の見つけ方、
はぜの釣り方など、同じノウハウでも、
自分で苦労して手に入れた情報は有り難味が違い、決して忘れないものです。

そして、第三に応用力がつくのです。
使い方の手順を遊ぶうちに覚え、失敗しやすいポイント、
うまくできるタイミングなどもわかってくるので、
だんだん原理などもつかめるようになってくるからです。

今の世の中は物や情報があふれ一見豊かに見えますが、
子どもたちの体験はかえって減っているように思えます。
友だちとワイワイ言いながら、自然の中で何かを探したり、
いろいろな道具を使いこなして遊ぶことは、
科学的思考の基礎となっていくことなのです。

いろんな遊びを、ダイナミックに体験させましょう、
情報や知識からでは学べない、大切なものが確かにそこにあるのですから。




posted by カメ先生 at 10:32| Comment(0) | 生活
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