
最近は小中学校でも勤労奉仕の体験をさせたり、
障がい者や老人ホームの施設にボランティアに行ったり、
多様な活動を行っているようです。
介護の仕事や海外の恵まれない子どもにも、
いっそう目を向けるようになり、意識も高まってきています。
しかしその一方で、「自分さえよければあとはどうでもいい」とか、
「人の嫌がる仕事はなるべくやりたくない」という、
自己中心的な傾向も子どもたちの中に増えているような気がします。
施設や海外に目を向けることも大事ですが、私は少し順番が違うのでは?と思うのです。
まずは、友だちや、家族など身近な人間関係の中で、
人のために動くことがボランティアの第一歩ではないのでしょうか?
日頃子どもの様子をうかがっていると、よく次のような場面を目にします。
例えば、一生懸命遊んでいるときは協力しあうが、
いざ片付ける時になると互いに仕事を押し付け合い、さっさと帰ってしまう。
班活動をするときに、プリントを取りにいったり、
実験の準備をすることをやりたがらず、弱い子に押し付ける。
これは、成績の良い悪いなどに関わらず、どこのクラスでも見られるのです。
このようななんでもないことが出来ないで、
誰が他の人たちに手を差し伸べられるというのでしょうか。
私たち大人は、つい子どもたちに、静かにしていなさい、みんなと同じことをしなさいと言いがちです。
その結果、おしゃべりをしない、みんなと違うこともしない、
でも、面倒なこともひとり目立つこともしない、
自分を犠牲にするようなことも一切しない子どもを生み出しているような気がしてならないのです。
おとなしく、じっとしていれば叱られないし、
よけいな仕事をもらって損をすることも無い「なにもしないよい子ちゃん」になっているのです。
人の嫌がることや、自分を犠牲にすることも、決して損をすることばかりではありません。
子どもだって充分人の役に立ち、その結果、成就感や充実感を得ることができるのです。
無駄なおしゃべりをせず、みんなと同じことができるようになったら、
さらに次のレベルを目指して、人に役立つことも進んで出来るようにしましょう。
他人を思いやり、自分から進んで行動することこそが、ボランティアの第一歩なのですから。