
今回は、叱り方について述べたいと思います。
子どもによっては、ちょっと叱っただけで泣き出す子もいれば、
叱られ慣れていて、ちっとやそっとじゃ、言うことを聞かない子もいます。
どこでこんな差が出てくるのでしょう。
私たちは、何気なしに叱っていますが、「叱る」にもいろいろな意味があって、
子どもの受け取り方が違うのです。
たとえば、「威嚇」。
子どもがだらけていたり、ふざけすぎたりしたら、ひと声かけてしゃんとさせます。
きちんと言うことを聞くように脅しをかけるわけです。
子どもに正しい行いを喚起するための「注意」もあります。
ああしなさい、こうしなさいと、細かく言い続けて、
子どもをコントロールするわけです。
そして「叱る」の一番の使命としての「罰」があります。
よく、のび太がママに、カツオが波平さんに、
呼びだされて怒鳴られたりする、あれです。
でも、これで終わりではありません。
罰を与えられて、自分の行いが間違っていたと子どもが思い知ったあと、
さらにたどりつかねばならないのが究極の目的「さとす」なのです。
子どもが自ら自分の行いを反省し、改めていくように訴えかけることです。
「あなたのしたことは、相手から見たら、どうだったと思う?
相手は今、どんな気持ちでいると思う?」 といったように、
問いかけ、子ども自身に答えを見つけさせます。
そして、子どもが答えを見つけたら
「ならば、あなたはどうしたらいいのかしら。
そうね、すぐにやりましょう、 ママも手伝うから」と、
自主的な行動を促し育てるのです。
これを叱った側がきちんとしなければ、子どもの本当の進歩はのぞめません。
叱られて、とりあえず黙っているだけ、
言うことを聞くふりをしているだけになってしまいます。
ただひどい罰を与えるだけで終わると、
子どもは異常におびえたり、やる気をなくしたりします。
また、きちんとした罰を与えないで「威嚇」ばかりでその場を押さえていると、
大人を甘く見るようになり、 少しの脅しでは言うことを聞かなくなります。
親も忙しくついつい怒鳴るばかりになりがちですが、
きちんと「さとす」ことを行うよう心がけ、 子どもが自ら行いを正しく改め、
高い自主性をもって成長する手助けをしましょう。