
鬼ヶ島にたどり着いた桃太郎の前に、大きな門が立ちふさがります。
その門をこじ開けて、いじめを解決していかなければなりません。
いじめを解決するため一番大事なことは、『正しい情報を手にすること』です。
証拠もなく、相手が誰かもわからないまま親が動き出すと、
相手にとぼけられたり、「悪いのはそっち」と反論されたり、
親同士のトラブルに発展したりすることも考えられます。
いじめられた被害者なのに、逆に責められる立場になることもありうるのです。
なぜこんな事になるのでしょうか。
それは、子どもは最低3つ以上の顔を持ち、
相手によって態度もしゃべる内容も違うことが、
被害者・加害者問わず、ほとんどの場合であるからです。
親の前の顔、先生の前の顔、そして友だち同士の時の顔、みんな違います。
悪気はなくとも、やはり自分の身内にはいい話だけをし、
自分の立場を悪くするようなことは最後まで話しません。
さらに、加害者が集団の場合、口裏を合わせて都合の悪いことを隠すため、
事実がなかなか表面化しないのです。
では、確かな情報をつかむにはどうしたらよいでしょうか。
まずは、どこでだれにどんないじめをうけたのか、日時・場所・内容などを克明に記録すること、
そして中立の立場にいる人(例えば先生)の協力をあおぐことです。
具体的には、「陰口いじめ」や「出る杭いじめ」なら、
中立の場の先生などと協力し、情報を確かなものにしましょう。
集団で口裏合わせをする時間を与えないように、
取り急ぎ関係者全員にいじめ事件に関する作文を書かせて、
被害者の記録とくらべてみるのも有効です。
矛盾する内容を追求し、理由のはっきりしない行動の動機を問いただせば、
加害者側の嘘が浮き出てくるでしょう。
「陰口いじめ」の場合は、作文などから被害者に同情的な文章や、
いじめの証拠に関係する内容を見つけたら、すぐに個別に話を聞きましょう。
「パワーいじめ」の場合などは、口止めやおどしを受けていることが多いので、
一人一人別々に、個人面接を行って嘘や矛盾点を洗い出す必要が出てきます。
確かな情報をつかみ、鬼ヶ島の門をこじ開けましょう。
(次回へ続く)