
マスコミなどで「いじめ問題」が取り上げられることがありますが、
私が変だなと思うのは、いろいろないじめを一緒くたにしていることです。
いじめには、さまざまなタイプがあり、問題点や解決方法もそれぞれ違います。
今月は、よく見られるいじめのタイプを3つに分類し、
桃太郎の家来に例えて考えてみましょう。
(この分類は私の独断的な提案です。
実際にはこれらの複合型や中間型が多く見られます)
[犬の負け犬いじめ…パワーいじめ]
・概要/力のある子どもやグループが活動する活発な集団に多い。
ボスと取り巻きが、下っぱや周囲の児童を支配し、いじめる。
・原因/集団の中で、嫌なことは他人にさせ、自分は楽をしたい。
そのために弱い人を力や理屈で抑えようとする。
・いじめの内容/集団の中で、弱そうな人または邪魔になりそうな人に目を付け、
言いがかりをつけたり、 弱味ににつけ込んだりして、
自分を圧倒的優位な立場に置く。
暴力やおどしに発展しやすく、いじめられた側が
報復を恐れて何も言わないため、いじめ自体が発覚しづらい。
また、おどかされていじめる側になったり、
悪いことをさせられたりすることもあり、
誰が主犯格なのか表面化しづらい。
解決にはしっかりした証拠をおさえる必要がある。
[サルの仲間はずれ…陰口いじめ]
・概要/一見平和そうに見えるクラスや、
同じ趣味趣向を持つ仲良し集団などによく見られる。
なんでもないことがきっかけとなり、匿名の個人やグループから陰湿ないじめを受ける。
・原因/均一な集団にひそかに上下関係を作り、自分を優位な立場に置く。
誰かをおとしめることにより、自分を集団の上位に格上げする。
・いじめの内容/ターゲットとなった人の、少しの落ち度や欠点を大きく取り上げ、
陰口や中傷、仲間はずれなどでおとしめる。
いじめる側といじめられる側がよく入れ替わり、
集団のメンバーがほぼ全員順番にターゲットになることもある。
物を隠す、学校裏サイトへの書き込み、無記名の手紙など、加害側の特定が難しい。
また、周囲の見て見ぬふりがいじめやすい環境を作り、
結果としていじめを容認、加担していると言える。
この周囲の不特定多数の指導もポイントとなる。
(後編に続く)