
今回は、リーダーシップについてのお話です。
うちの子は言うことを聞かないという話をよく耳にします。
子どもは成長と共に、生意気になったり、減らず口をたたくようになったりします。
そうかといって、やたらに激しく子どもを叱ったり、
口うるさく注意すると逆効果になることも多いのです。
子は、親の鏡、大声で叱られた子どもは、怒鳴り返すことを覚え、
注意された子どもは揚げ足をとることを覚えます。
ではどうしたらいいのでしょうか。
子どもは、尊敬すべきリーダーを心待ちにしている。
これが、長年教育現場を見てきた私の感じることです。
親の言うことは聞かないのに、スポーツチームのコーチの言うことはよく聞く、
というのはままあることです。
なぜ、家庭とこんなに違うのか。
そこには、リーダーシップの違いがあります。
リーダーとして決してやってはいけないことは、
その場しのぎの思いつきの指導、威嚇や脅迫、
筋の通らない理不尽な指導、 そして甘やかしや尻ぬぐいです。
例えば、思いつきで何かを指示し、親の考えるように出来なかったと
叱ったりした経験はありませんか?
指示の不備を棚に上げて怒鳴り、結局尻ぬぐいをして、それが愛情だと勘違いする。
こういうパターンだと、子どもは、大人を馬鹿にするようになり、
どうせどうにかなるとたかをくくってしまいます。
では、やる気を育てるリーダーシップとは?
それは、目的や見通しをしっかり示し、子どもの意志と責任をいかして決定させ、
決まりに基づいた裁定を行い、そして失敗を乗り越え、成功へと導く指導力です。
それぞれの子どもの実情に合わせ、
[1]約束や決まり、守れなかったときの責任の取り方を話し合いで決める。
[2]日程や、段取りを、コツやトラブル処理も含めて説明する。
[3]子どもの役割や仕事分担を子どもに自分から責任を持って決定させる。
ただし、肝心なのは親が決めた選択肢から選ばせるのです。
例えば、一番大変な仕事とプチご褒美を組み合わせて一番、
一般的な仕事を二番、楽だけどおまけ仕事もついたものを三番などとして選ばせます。
どんな選択肢を作るかがリーダーシップの見せ所です。
[4]そして、うまくいったらほめてやり、うまくいかないときは事前に決めた決まりに従って、 自分で責任をとってもらいます。このとき、厳しくしかる必要はないし、尻ぬぐいをする必要はまったくありません。
親が裁くのではなく、自分たちで決めた決まりが裁くのです。
ですから、文句を言う相手も自分なのです。
しかし、子どもですから、生意気なことを行っても大切な決まりを創ったり、
日程や見通しを立てたり、もちろんコツやトラブル処理なんて
、なんてことはなかなかできません。
だから、そこで大人がリーダーシップを発揮すれば
今までできなかったことができるようになったり、
スムーズに片づいたり、自己実現ができたりして、
大人への尊敬心も生まれてくるのです。