2012年07月10日

ほめられて伸びるタイプとは? 

kyouikuzukan.jpg 2009年2月号掲載


以前ほめ方のお話で、合格したらほめる・努力をほめる・潜在能力をほめる・
できないところをほめるという4つのほめるについて述べました。
今回は5つ目の『ほめる』をお話しします。

「オレって、ほめられて伸びるタイプなんだよね」という人をときどき見かけます。
誰だって叱られたくはありません。
本当にそういうタイプはいるのでしょうか?

例えば、子どもがテストで98点をとってきたとします。
満点に近い結果をほめてあげますか?

あと2点どうしてとれなかったのかと、責めますか?

ほめられたいタイプの子どもは、自分のがんばりを認めてもらえず、
結果だけを見て叱られることにストレスを感じます。

真剣に取り組んで努力をしたが結果はうまくいかなかった、
何らかの理由で本来の力を発揮できなかったなどという時、
自分でも失敗に責任を感じている場合がほとんどで、
人から言われなくとも、悪いと思っているのです。
そんな子どもを、頭ごなしに叱れば、
「ぼくだってがんばったのに、わかってくれない」と反発します。

また近いタイプで、いつも一歩足りないと叱られる子どももいます。
本人はやる気でがんばっていますが、いつも詰めが甘い、
やり残しが目立つ、他人への心遣いが足りないなど、
あと一歩が及ばず、結局叱られる子どもです。
このタイプの子どもも、がんばっているのだから、
あまり叱ると、せっかくのやる気が失われたり、
落ち着きが無くなったり、逆効果になりかねません。

そこで登場するのが、「一歩先をほめる」ほめ方です。

自分の取り組みを認めて欲しい子どもには、
結果が出ないことを叱るのではなく、
きっと近いうちにうまく行くよ、ほめられるよと励まします。

一歩足りない子には、小言をいうのではなく、
あとひとつだけ、ここをがんばってごらんと導き、
少しでもうまくいったら、心からほめてあげるのです。

これがうまくいくと、子どもは小さなミスをこわがることなく、
何でも前向きに自分から進んで取り組むようになってきます。

もしも、少しでも子どもにやる気があることを感じたら、
頭ごなしに叱ることはやめましょう。
まずは、子どもの話を充分聞いてやり、がんばりを認め、
あと少しで良い結果が出そうなら、
あえて叱ったり注意したりせず、一歩先をほめて導いてあげます。


子どもは皆、ほめられれば自信をつけ、伸びるのです。



posted by カメ先生 at 11:02| Comment(0) | 親子関係

キレやすい子ども

kyouikuzukan.jpg 2008年12月号掲載

キレやすい子どもが増えていると言います。
ちょっとしたことでキレ、1度キレるととんでもないことを平気でやる、
または、誰彼構わず当たり散らすなど色々なタイプがあるようです。


ひとつ、具体的な例を紹介します。

授業前に、忘れ物に気がついたA君。
同じクラスのB君に「貸して」と頼んでみたけど
B君もその道具を使うのではっきり返事をしない。
A君はしばらくは「お願い、お願い」と、繰り返しましたが、
貸してくれそうにないと見るや、キレて、
当たり散らし始め、 相手を脅し、あとは大騒ぎでした。

よく考えてみれば、道具を忘れたのは自分だし、友だちに落ち度や悪意はない。
なのに、優しい口調から突然キレたのです。
本当は、A君がやるべきことにはいくつかの段階があったはずです。

例えば…
@お願いをする。
A忘れた理由を言って説得する。
B条件を付け、少しの間だけ借りてすぐ返す。
C替わりに何かお礼をすることを条件に貸してもらう。
D隣のクラスに借りに行く。
E先生にあらかじめ言って、あやまる。
F他の道具で替わりに使えそうな物をさがす。
G他の友だちや同じ班の人に声をかけ、貸してくれる人を探す。
Hクラスの友だちにどうしたらよいのか相談する。…等々。


のちにA君を呼んで、話を聞くと、@のあと
、即キレて暴れだしたようです。
自分で解決しようとしない、人まかせ、コミュニケーション能力の不足、
自己中心主義などが原因にあるでしょう。


でも、私が特に問題としたいのは、心の置き方です。
要求が通らない時、即キレるのではなく、我慢する、あきらめる、
素直にあやまる、 前向きに他の行動をとるなど、
いろいろな心の落ち付けどころがあるはずです。

○か×かのような物の見方だけではなく、多角的な視点、多層的な価値観が必要です。

私たち大人が子どもに接する時、言うことを聞かないからと、
甘やかしたり、 脅かしたりと同じ事をしていないか振り返りましょう。
○か×かではなく、子どもにいくつか選択肢を与えて考えさせたり、
がんばらないとどうなるか予測させたり、
解決法だけ教えて自主的にやらせてみることも必要です。

ひとつダメでもポジティブにとらえ直し、
時にはゆったりとした気持ちで遠回りを選ぶことや、
休むこと、悩みを打ち明けてから進むことも悪くないのです。

ピンチになっても、いくつもの引き出しを持ち、
切り抜けられる本当の強さを育てたいものです。


posted by カメ先生 at 11:00| Comment(0) | 親子関係

いじめの考え方 [いよいよ鬼と対決 2]

kyouikuzukan.jpg 読売新聞ほうむたうん 2008年11月号掲載


いじめのタイプに対し、ターゲットになりやすい
子どものタイプとその対策の後編です。

■ 出る杭では…【実力はあるが集団になじめない人。気持ちが優しい、口答えの少ないタイプ
このタイプの人は、日頃から集団の決まりを守るように心がけたり、
理不尽なことを言われたら、時にはきちんと言い返すことも大切です。
かと言って、まわりからねたまれるような実力のある身で、
自己主張を強くしすぎると、新たなバッシングの原因を作ることになってしまいます。

出る杭いじめの相手は、へ理屈の達人が多いですから、下手に自己主張しようものなら、
その場でもっとひどい言いがかりをつけられるかもしれません。

出る杭いじめ対策で、まず大切なのは、よき理解者、肉親や友人を持つことです。

あの手、この手、批判や予期せぬ言いがかりをつけられるこのいじめは、
自分に落ち度や悪い点があるのか、相手が悪いのかさえ、
わからなくなることが多いのです。
だから、公正な立場、中立な立場で話を聞き、
問題点をきちんと受け止めてくれる理解者が不可欠です。

そして、被害者は悪くない、実力から見ても、正当に評価されていないなどが
はっきりしてきたら、理解してくれる仲間を少しずつ増やして行きましょう。

正しいことをしていれば、いつか必ず、集団全体の人が、
どちらが正しいのかをわかってくれるはずです。
さて、桃太郎の話では 鬼をやっつければ宝が手に入ります。
その宝とは何でしょう。それは、人間をいきいきさせる、適材適所の配置です。

ひとりひとりはみんなちがいます。
でもそのちがいは、格付けし合うためでも、傷つけ合うためでもなく、
お互いを認め、いかし合うためのちがいなのです。
 
いじめを乗り越えたら、子どもたちがいきいきできる
居心地のよい場所を作ってあげることが重要です。

いじめ対策と共に、集団を活性化させるイベントや発表会を企画し、
子どもたちのプラスの力を引き出していかし合うだけで、
いじめの再発が大幅に減ることもあるのです。

いろいろな個性をいかし合えるような器や環境を考えてあげることが、
我々大人の務めなのではないでしょうか。



posted by カメ先生 at 10:58| Comment(0) | いじめ