
子どもにはいつもやさしく接したいと、本当は大人も思っているのです。
でも、やさしすぎればつけあがる、そうそういつもやさしい顔ばかりはしていられません。
実際教育の現場では、初対面の子どもたちに対して下手に出たり、
甘やかすような態度をとると、自分のほうが立場が上なのかと
勘違いした子どもになめてかかられます。
子どもと仲良くしたい新任の教師などは、このあたりで苦労することが多いのです。
大切なのは、やさしさの中にもリーダーシップを持って接し、
導いてあげることですが、難しいのは、いつも理屈で返すタイプの子どもです。
そんな時の秘策をひとつ。実は、よほど頭のいい子でも、
なかなか育っていないのが、時間の観念なのです。
子どもは、今をどうやってラクに楽しむかをメインに考え、
昨日のことや明日のことはおざなりになりがちです。
そこで大人の登場です。明日の予定、昨日の失敗、今日のやり方を例に出し、
時間をうまく使えば、リーダーシップをとることができるのです。
「明日は、お友だちが来るんでしょ。この間は片づけがたいへんだったから、
今日のうちに掃除したほうがいいわよ。やり方を教えてあげるから」
「もうすぐ提出日でしょ。この間みたいにぎりぎりで大あわてしないように、今日から計画を立てて始めましょう」
などと、時間の観念をうまく使って、やさしく声をかけるとよいでしょう。
「忘れてた、明日は○○があるんだった」と、気づかせるのです。
子どもがきちんと動けば、自主的に動いたことをほめてあげましょう。
動かず、当日大変なことになったら手伝ったりしないで、自分で責任をとらせましょう。
「あの時親の言う通りにしておけばよかったかなぁ…」と思わせれば、ほぼ成功です。
そのうち、大人の言うように明日の予定を考えて
行動するとうまく行くことがわかれば状況が変わってきます。
親がリーダーシップを発揮する関係ができるのです。
その場で思いついたことをガミガミ言うより、長期的な見通し、
ここ一週間の予定、明日明後日の大事なことをあらかじめ頭に入れて、
過去の子どもの失敗と照らし合わせ、やさしくアドバイスしてあげましょう。
子どもは、本当は信頼できるリーダーを求めているものなのです。